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フライトシムを遊ぶ

X-Plane 11 Saab 340A Cold & Darkからエンジン始動~巡航まで

みなさんSaab 340というターボプロップ機をご存知でしょうか?

Saab 340は約30数名(型名によって異なる)乗りのターボプロップ機で、1983年に初飛行し現在でも運用されています。残念ながら日本の空からは2021年12月をもって完全退役して見ることはできません(北海道エアシステムが最後のオペレーター。日本エアコミューターは2019年12月に退役済)。Saab 340にはいくつかのタイプが有りSaab 340Aが初期型(今回はこれを操縦します)、 Saab 340Bがエンジン換装型でペイロード・航続距離の強化型、Saab 340B-WTはAPU装備型です。

 

筆者はターボプロップ機の中ではSaab 340が一番好きです。ターボプロップ機といえばQ400やATR42などの高翼機(翼が胴体より髙い)が浮かびますが、Saab340は低翼機でさながらリージョナルジェット格好良いフォルムをしています。

 

今回操縦するSaab 340Aは最も初期に生産された型です。APUは装備されておらずエンジン始動にGPUが必要だったり、基本的にはVOR航法オンリー(X-PlaneではGNS530が装備され使用可能です)なので中々古めかしいですが面白い航空機です。

 

今回のフライトプランです。羽田-小松間をFL240で巡航します。SimBriefではSaab 340Aはが無いのでSaab 340Bで作成しました。この場合ZFW多めに、巡航高度が高めに出たるするので、オーバーウェイトが発生したら手動でSimBriefへの入力値を変更します。

 

フライトプランです。羽田34Lを離陸後BEKLA2A、MBE、YARIIと飛んでいきます。

X-PlaneではGNS530を縦方向誘導(LNAV)に使用できるので、基本的にはGPS誘導で飛びます。途中のwaypointであるMBEはVORでもあるので、この区間だけVOR航法を試しにやってい見ます。(すべてGPS誘導だと味気ないので)

 

垂直方向のフライトプランです。BEKLA到達前にT/C、MBEのあとにT/Dです。

 

ロケーションはRJTT、機体はSaab 340Aを選択します。

 

ペイロードと燃料の設定をします。このアドオンはEFBがついていないのでロード前に燃料等を設定する必要があります。Payload 2191 KG, Total Fuel 1817KGとします。

 

ロード直後の画面です。Cold & Darkで何もついていません。

 

外観です。安全用の赤いテープやコーンがあります。

 

メニューからRemove Allをすると全て取り外せます。GPUを有効化します。

 

下段、EXT PWRをONにして外部電源を有効化します。

中段、左右バッテリーをONにします。

上段、DC ELECを3つともONにしてアビオニクスの電源を入れます。

 

空調系の設定です。BLD VALVEをRESET -> AUTOに設定します。

 

客室サインであるシートベルト、禁煙サインをONにします。

 

メニューのUser PreferencesからUse PL Auto-LatchをONにします。この設定でスロットルレバーの操作だけでリーバス側まで操作できます。OFFの場合スロットルレバーを一旦フライトアイドル以降に進めると、リバース側に戻すことはできません。(他に設定がいるはずです。)

 

NAVライト、BCNライトをONにします。

 

AUTO COARSENをONにします。これは離陸時などにエンジンfailureした際にプロペラを素早くfeather状態にして抵抗を減らすための装置だそうです。離陸時やGo-Around時にだけONにします。

 

非常灯をARMにします。

 

エンジン始動手順です。

まずパワーレバー(スラストレバー)をGround Idle、コンディションレバーをStartの位置にします。Saab 340Aのエンジン始動は簡単でスタートスイッチを左右のどちらかに倒すだけです。(倒した方向のエンジンが始動します)

 

左エンジンから始動していきます。

 

左エンジンの計器を監視します。

 

両エンジンの発電機をONにして、外部電源をOFFにします。

 

タクシー準備です。コンディションレバーをMAXにします。これで最大の回転数を得られます。

 

氷結防止装置をONにします。プロペラはOFFのままで良いです。

 

CTOTを両エンジンARMにします。CTOTはジェット機で言うReduced Thrust Takeoffのようなもので、タービン内温度ITT(Interstage Turbine Temperature)が一定値以下になるように出力を調整します。左についているノブで出力(トルク)を調整します。

離陸時にパワーレバーを65°まで倒すと、自動的にCTOTが離陸推力を設定します。65°以上パワーレバーを倒すとCTOTは無効化されてパワーレバーの通りの推力が得られます。

 

GNS 530の設定です。左側のノブで電源を入れ、OK?と確認されるので右側のENTを押します。

 

FPLのボタンを押してフライトプランを入力します。

RJTT/RJNK

SID: BEKLA2A (RW34L)

STAR: YARIIE

ENROUTE: MBE

TRANS: KINKA

APPR: RNAV24

 

GNS 530はairwayは読み込めないので、全てwaypointで入力する必要があります。といってもSID/STARを除くとMBEしかwaypointが無いためここだけ手動入力します。

またCDIのボタンを押して、GPSモードになっているか確認してください。表示がVLOCの場合は、GPSではなくVOR誘導になります。

 

タクシーライトをONにしてタクシー開始です。

 

RW34Lの前です。

 

フラップを15°に設定します。

 

T/O INHをONにします。画像の他の計器は無視してください。



パワーレバーを65°にします。すると離陸推力が設定されるので、100Knot付近で操縦桿を引き離陸します。

 

離陸しました。ギアアップし、適切にフラップを格納していきます。

 

CTOTをOFFにします。

 

AUTO COARSENをOFFにします。

 

500 feet AGLでオートパイロットをONにします。オートパイロットスイッチは2秒ほど押しっぱなしにするとONになります。

 

NAV、CLIMBをONにします。横方向はNAVモードで制御、縦方向はCLIMBモードで制御しています。

CLIMBモードの上昇率が低い場合、IASモードにして速度バグを低い速度にすると、速度を抑えるため上昇できます。

 

ここでSaab 340Aの自動操縦モードについて簡単に説明します。本機にはオートスロットルはありません。

そのためIASモードを選択すると指定速度を維持するためにピッチが変化します。例えばオーバースピードの場合はピッチを上げ高度を上げることで速度を落とします。IASモードで上昇するためにはスピードバグを現在速度より下げてパワーレバーを上げると上昇します。逆に下降したい場合は、スピードバグを現在速度より上げてパワーレバーを引けば、バグで指定された速度を得るために下降し始めます。

 

V/Sモードは指定された垂直速度を得るためにピッチを調整します。このとき速度は監視されないので、上昇の場合などは意図せず速度が落ち失速する危険があるのでこのモノーどを使用する場合はいつも以上に速度を注視してください。

 

現代のジェット機のようにオートスロットルがあればIASモードとV/Sモードは同時に使用できて便利ですね。

 

今回はMBEだけVOR誘導にしたいのでVOR周波数117.6MHzをNAV1&2に設定します。(本当はどちらか1つで良いです。)。左側を使用するのでNAV S Lを有効化しておきます。

 

コースはこちらから設定します。

 

左下、右下にVORまでの距離とコースが確認できます。

 

今回は使いませんがオートパイロットのV/Sモードでは上記でピッチの変更が可能です。

 

PFDの右上にV/Sモードのスピードが表示されます。上昇率を維持するためIASが落ちるので常に注意が必要です。筆者がV/SモードをつかているといきなりA/Pが切れ機種下げになることが度々あったので、もしかしたら失速していたのかもしれません。IASモードを使ったほうが安全かもしれないです。

 

MBEへのVOR誘導を有効化するため、CDIボタンを押してVLOCモードにします。このようにするとVOR1に設定した局に向けて誘導されます。

 

VOR1/2は同じ情報がセットされているため、同じ情報になります。

 

 

なぜか飛行中にX-Planeがクラッシュしたので今回はここまでです。以下はギャラリーになります。

 

以上