Microsoft Flight Simulatorの始め方 その5 着陸のコツ
今回はフライトの最後の難関である着陸の方法を紹介します。
良い着陸とは
安定した着陸とはどんなものをイメージするでしょう?おそらくランディンギアの後輪(メインギア)から滑らかにタッチダウンすることを思い浮かべるのではないでしょうか。そのためには着陸直前にフレア(機首上げ)動作をして降下率を下げる事がもっとも重要だと思われるかもしれません。
しかし、もっとも重要なことは着陸するまでに高度と速度を調整して着陸のお膳立てをすることです。
ダメな着陸の例
フライトシミュレータを始めた頃の筆者を例に説明します。目的の滑走路を見つけると高度が高かろうが強引に高度を下げアプローチしました。すると着陸の際の速度も上がりフレア動作をすると再上昇してしまい、滑走路ギリギリで停止する危険なものでした。
着陸のポイント
ダメな例を踏まえて以下を守ることが安定した着陸に繋がります。
- 降下パスを
3°
として、高度と速度を調整する(*1) 2000
[feet]までにアプローチ速度(*2)まで減速する1000
[feet]までに最終フラップ、ギアダウンをおこなう- 滑走路の
Aiming Point
にメインギアをタッチダウンさせるつもりで飛行する - 滑走路の
Runway Threhold
(滑走路終端)でエンジンアイドルにする - 滑走路の
Touchdown Zone
にタッチダウンする (スラストリバーサーがあれば使う)
1:ジェット旅客機の場合、降下率は700
[feet/min]程度
2:ジェット旅客機の場合、アプローチ速度は140~150
[knot]程度 (機種、重量、フラップ等によって異なる)
降下パスについて
降下の際は3°
パスで降下します。
例えば滑走路まで9
[nm] (*1)の時点では3000
[feet]、
滑走路まで6
[nm]の時点では2000
[feet]、
滑走路まで3
[nm]の時点では1000
[feet]が理想的な高度です。
1000
[feet]降下するためには3
[nm]必要だと考えてください。
滑走路まで3
[nm]しかないのに高度3000
[feet]では高すぎるのでホールディングしたりして高度を落としてからアプローチしましょう。
- *1: nmはnautical mile(海里)を示し
1
nmは1.852
kmです
滑走路上の標示について
滑走路には地面にいろいろな標示があり、それぞれ意味があります。
Touchdown Zone
着陸の際タッチダウン(メインギアが接地)する場所を示し、この標示があるところに着陸します。これが無いところにタッチダウンすると残りの滑走路距離が足りなくなりオーバーランする可能性もあります。滑走路の左右に1本線、2本線、3本線がありすべてTouchdown Zone
です。ILS設備の無い滑走路にはこの標示はありません(調布飛行場など)。
Aiming Point
滑走路の目視目標です。滑走路を見つけたらこの標示にタッチダウンできるように狙いを定めましょう。Aiming Point
はTouchdown Zone
も兼ねています。
Runway Designators
滑走路番号を示します。09R
の09
は滑走路が磁方位90°
(東)を向いていることを示します。R
は並行する滑走路のうち右側(Right)であることを示します。つまり少なくとも左隣には滑走路09L
が存在します。滑走路が同じ方角に3本ある場合は09L
, 09C
, 09R
のようにCenterのC
を使用します。
Runway Threshold
滑走路終端を示す縞模様です。ここから先が滑走路であることを示します。
Displaced Threshold
この地点に地上走行で進入することが可能ですが、着陸(タッチダウン)することは禁止されています。離陸の開始地点などに使用できます。
Blast Pad
この地点には地上走行および着陸(タッチダウン)することは禁止されています。唯一進入可能なのはオーバーランなどの緊急時のみです。
参考資料
滑走路図はwikipediaから