X-Plane11 MD-11 Cold & Darkからエンジン始動まで
今回はX-Plane11のRotate-MD11をCold & Darkから起動してみたいと思います。
MD-11とは
マクドネル・ダグラス社が開発した3発機で、同じく3発機であるDC-10の後継機です。旅客型と貨物型の2タイプありますが、今回は貨物型を飛ばします。エンジンが3つのジェット機は有名なもので、ボーイング727、ホーカー・シドレー HS121トライデント、ロッキードL-1011トライスター、そして今回紹介するMD-11(DC-10を含む)があります。これらは3エンジンという共通点がありますが、配置方法に違いがあります。
ボーイング727とホーカー・シドレー HS121トライデントは3エンジンが尾翼付近に集中配置されており、主翼には一切エンジンをぶら下げていません。一方でロッキードL-1011トライスター、MD-11は2つのエンジンを両主翼、1つのエンジンを尾翼に配置しています。更に細かいことを言うとMD-11だけ尾翼エンジンの配置方法が異なります。
尾翼エンジン: 串刺し方式 (MD-11など)
MD-11は垂直尾翼にエンジンを串刺しにしたような形です。このようにすることで、主翼のエンジンと同じように、気流をそのままエンジン取り込む事ができ、主翼エンジンとの部品共通化もできます。デメリットはエンジン分だけ垂直尾翼を小さくしないと垂直尾翼高が高くなることです。MD-11では垂直尾翼は小さくした代わりにラダーをダブルヒンジにして舵を取りやすくしたりしています。
尾翼エンジン: 機体埋め込み方式 (727, HS121トライデント, L-1011トライスターなど)
ボーイング727です。垂直尾翼エンジンはエアーインパクトレンチとエンジン排気口が一直線でつながっていないことがわかります。串刺し方式ではエンジン後部はラダーには使えませんが、埋め込み方式ではエアーインテークの後部はラダーとして使用する事ができます。
ボーイング727、ホーカー・シドレー HS121トライデント、ロッキードL-1011トライスターの尾翼エンジンは上記のような形をしていて、垂直尾翼の付け根にエアーインテークがあり、S字ダクトを通して後部のエンジンにつながっています。この配置のメリットは機体後部の気流を滑らかにすること、垂直尾翼を高くしなくても十分な面積が取れること、後ろの方までキャビンスペースが取れること、串刺し方式と比べてエンジンが後方にあるので騒音が抑えられることなどがあります。デメリットはS字ダクトで気流が剥離して、エンジンに十分な気流が共有されない可能性があるので、慎重な設計が求められます。
さて能書きはここまでにしておいて、MD-11の起動手順に移ります。
MD-11起動手順
機体をロード後にメニューを表示して"Cold & Dark"からスタートします。
Load ManagerのページでTotal Payloadを42635KG、Block Fuelを16622KGと入力します。右の表のTO-CGが30〜31%MACに収まるようにPayload CGを調整して8.4%MACとします。
Ground Operationのページです。チョークだけ外しておきます。今回はAPUで電力をまかなうため、GPUは使いません。
まず電源を確保します。オーバーヘッドパネルで
- バッテリーをONにする
- APUをONにする
- APUの電力を機体に供給する
- APU BLEEDを機体に供給する
これでAPUをONにして、機体に電源が供給されました。
IRUをNAVにしてアラインさせます。
最初のRotateメニューの"Reduce IRU align time to 30 seconds"にチェックを入れておくと、30秒で完了します。
非常電源をARMにします。
右側のDEFOGをON、非常灯をARMにします。
FMSの設定を始めます。INITページで各種情報を入力して、R4でINITIALIZE IRSでIRSを初期化します。
TO/APPRページで各種情報を入力するとV-speeds、トリム情報(STAB)がわかります。トリムの値(4.7)はこのあと使うのでメモっておいてください。引き続きルート設定がありますが省略します。
ノー・スモーキングサイン、シートベルトサイン、ビーコンライトをONにします。
さて、エンジン始動手順に移ります。
機長席側のオーバーヘッドにイグニッションスイッチがあるのでA or BをONにします。
エンジンは3, 1, 2の順で始動します。3番は右エンジン、1番は左エンジン、2番は垂直尾翼のエンジンです。
第3エンジンのスターターをONにします。
N2が15%くらいになったら燃料バルプを開き、点火します。これを繰り返します。
全エンジン点火後です。
エンジンによって電源とAIRが確保できているので、APUを停止させます。まず下側でAPU BLEEDをOFFにしてから、右上でAPUをOFFにします。
油圧のAUX PUMPをONにします。
MCPの設定をしてしまいましょう。速度はV2+10で160knot(本当は決まりがあったかと思いますが適当に)、方位はRJTT 34R滑走路方位である338、高度は巡航高度である32000ft(本当はクリアランス時の承認高度だったかと思います)を入力しておきます。
トリムの設定を行います。
TO/APPRページのSTABで4.7と出ているので、その設定にします。ペデスタル左側がトリムレバーでこれを上下に動かしてトリムを設定します。
この画面の数値が現在のトリム値です。これが4.7になるように設定します。ANUとはAirplane Nose Upの略で機種上げの意味です。機種下げの場合はANDと表示されます。
さて、タクシー準備ができたので滑走路へ向けて発進します。パーキングブレーキをリリースします。
タクシー開始です。
CONFIGボタンを押してセンタースクリーンを切り替えます。
スピードブレーキをARM(真上に引き上げる)、フラップを15に設定します。画像では抜けていますが、オートブレーキはT.Oポジションにしておきます。設定ダイアルはスロットル上部にあります。
センタースクリーンにはCONFIGが表示されているので、操縦翼面を動かして正常に動作しているか確認します。
滑走路に正対しました。AUTO FLIGHTスイッチを押して、オートスロットルをARMにします。スロットルを60%ほどまで進めるとオートスロットルは自動的に有効化されて、離陸推力が設定されます。そのままVrになったら離陸します。上昇率が正になっているのを確認してギアアップします。
400ft以上上昇後に、NAVボタンでLNAVを、PROFでVNAVを起動します。これでオートパイロット、オートスロットルが起動しているので手を離しても大丈夫です。
すると速度と方位は---と表示されます。
スポイラーのARMを解除します。
今回の紹介はここまでです。以下ギャラリーです。
以上