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MSFS PMDG DC-6 Cold & Darkからエンジン始動~巡航まで

PMDG(Precision Manuals Development Group)初のMicrosoft Flight Simulator向けアドオンであるPMDG DC-6が2021.06.18に発売されました。本記事ではCold & Darkからエンジン始動~巡航までの手順を紹介します。

pmdg.com

DC-6とは

DC-6はダグラスが開発したベストセラーのレシプロ旅客機です。初飛行は1947年で現在に至るまで700機ほどが生産されました。1964年の東京オリンピックの聖火輸送もしたそうです。まずは簡単ににDC-6のシステムを紹介します。

オーバーヘッドパネル1

機長席の最も左側にあります。 消火テスト、ウィンドシールドヒート、コックピットライトを操作するパネルです。

オーバーヘッドパネル2

機長席左側にあります。 客室用ヒーター、アンチアイス用ヒーターを操作するパネルです。上側がヒーター燃料で下側が操作用スイッチです。ジェットエンジンでは圧縮機から高温空気を抽気して客室用やアンチアイスに使用しますが、レシプロエンジンではそれはできないため燃料を燃やして熱を得ます。

オーバーヘッドパネル3

中段の左側がランディングライトスイッチ、中央がカウルフラップ、右側がスーパーチャージャーです。これらの計器は各エンジンに1つずつ、計4つあります。 下段の左側がADF、中央がGPS、右側がNAVです。GPSは見るだけで自動操縦には使えないようです。

オーバーヘッドパネル4

燃料、オイルなどの液体系の量、圧力、温度を表示するパネルです。

オーバーヘッドパネル5

メインのオーバーヘッドパネルです。ここで主な操作を行います。

  • NAV, POSライト
  • シートベルトサイン、禁煙サイン
  • アンフェザー
  • エンジン始動系(スターター、イグニッション)
  • ブースターポンプ
  • 発電機
  • インバーター



オーバーヘッドパネル6

オーバーヘッドパネルの一番上です。 予備、非常用の計器があり、あまり使うことはないかもしれません。

オーバーヘッドパネル7

副操縦席の右側にあります。 機内の気圧設定をするパネルです。巡航高度の設定、現在の客室高度、客室高度の変化度合いを表示するパネルがあります。

オーバーヘッドパネル8

副操縦席の最も右側にあります。 電気系統の確認パネルです。

操縦計器

機長席の操縦計器です。速度計、姿勢指示器、高度計、方位指示器は伝統的なT字配列されています。右側にある3つのランプはマーカービーコンです。

エンジン計器

  • 1段目左4つが各エンジンのBMEP (brake mean effective pressure:正味平均有効圧)
  • 2段目左2つが各エンジンのマニホールド圧
  • 3段目左2つが各エンジンのRPM(回転数)

ジェットエンジンでは主に回転数がエンジン出力を知るために重要な指標ですが、ピストンプロペラエンジンの場合は回転数だけではなくBMEP、マニホールド圧も同時に観察します。わかりにくいですがマニホールド圧とRPMは、一つのゲージにエンジン番号がついた2つの針があります(そのため4エンジンでゲージは2つになります)。

副操縦席の操縦計器

機長席と同じ構成です。

スロットル

スロットルを上から見下ろしています。スロットルは機長用と副操縦士用にそれぞれ4本あります。エンジンが8つあるようにも見えますが4つです。左上に赤色のレバーが4本ありますが、これは燃料タンクの選択レバーです。デフォルトではOFFなのでMAINかALTを選びます。

スロットル

左側の4つの赤いレバーはミクスチャーコントロールです。普通ミクスチャーはスロットルと同じ用にマニュアルで細かく設定できるものをイメージしますが、DC-6の場合はCUT-OFF, AUTO-LEAN, AUTO-RICHの3ポジションしかなく自動で調整くれます。真ん中の大きな赤いレバーがギアレバーです。右側の青い4つのレバーはキャブレター調整用です。右の黄色いレバーはフラップです。

燃料投棄

下を開けると燃料投棄用のレバーがあります。

カウルフラップ

カウルフラップとはエンジンのカバーのようなものです。筆者もよくわかっていないのですが、カウルフラップを開くと吸気排気の流れがよくなるのでしょうか。離陸上昇中は開き、巡航中は空気抵抗のため閉じておくなど?

カウルフラップが開いている場合と閉じた場合

航空機関士席です。

航空機関士席の後方にはサーキットブレイカーがあります。

航空機関士席から

Cold & Darkからのエンジン始動~巡航

さてここからはcold & darkからのエンジン始動~巡航を説明します。

マニュアルは以下の場所にあるので詳細はこちらを参考にしてください。 “C:\Users\xxx\AppData\Local\Packages\Microsoft.FlightSimulator_xxx\LocalCache\Packages\Community\pmdg-aircraft-dc6\Documentation”

これから説明する手順はかなり省略しているので、以下の点にご注意ください。

  • PDMG DC-6マニュアルの2.1 FLIGHT COMPARTMENT CHECK — PRESTARTING~2.2. STARTING ENGINESを参考に紹介します。
  • 初期設定から不変の箇所は手順を省略します。(真面目にやるとチェックリストは90つもあり大変です。)

デフォルトで搭載されてているGNS430でオートパイロットで使用するため、予めここでフライトプランを入力しておきます。 GNS430に直接入力しても良いですが、Airwayは入力不可なのでWaypointを直接編集する必要があり面倒です。

ロード直後です。

タブレットを持ってきてCold & Darkをクリックして状態を初期化します。

ちなみにAE(AI航空機関士)のこのボタンを押すとこれからやる手順を自動でやってくれます。注意:ここでは押しません。

BATT. & GND. PWR(右下)をON、Battery selector switch(右上)をGROUND POWERにしてGPUに接続します。 必要に応じて左側のシートベルトサイン、禁煙サイン、NAV灯を設定します。

エンジン4つのカウルフラップをOPENにします。

中央上のインバーターを3つON、右側のGENERATOR(発電機)をすべてONにします。

客室用のヒーターをONにします。赤いガードを一度上げてます。

与圧の設定です。赤い四角のところのダイアルを回すとFLIGHTの針が動くので、巡航高度を指すように設定します。実は左側のダイヤルでCABIN(客室高度)が設定できるのですが、FLIGHTの針を追うようになっていて自動で設定されます。FL150に設定します。

ガストロックをはずします。赤枠の部分をずっとクリックします。

燃料タンクセレクターレバーをすべて一番前に前進させてMAINタンクから供給されるようにします。

スロットルを少しだけ前進させます。

さてバッテリーをONにしただけでは無線計器の電源は入らないので、個別にONします。 ちなみにこれはトランスポンダーです。

ADF(左側)、GPS(中央)、NAV(右側)のスイッチをそれぞれONにします。さてここまででエンジン始動前の準備ができました。

GPSマークがついているかを確認してください。FPLボタンでフライトプランを確認できます。右のダイアルをプッシュして外側ダイアルを回すとルートが見れます。

エンジン始動

ミクスチャーレバーを一番上まで上げてAUTO RICHに設定します。

エンジン始動順番は3-4-2-1です。

エンジン始動前に以下の準備をしておきます。 - 左側のPOS灯をONにします(エンジン始動前にPOS灯を点灯させます。プッシュバック前に点灯させることが多いですが、今回プッシュバックは省略しています。)。 - 燃料ブースターポンプをLOWにします(下に倒します)。 - 下段のIGNITIONをBOTHに設定します。 - 右上のエンジンセレクターで3を選びます。



まずSTARTスイッチをONにします。これでスターターが動きエンジン初期回転が始まります。

次に右隣のBOOSTERスイッチをONにします。点火用マグネトーへ追加電気をブーストします。

左隣のPRIMEスイッチをONにします。 これでエンジンは始動します。この手順を4,2,1エンジンに対しておこないます。

電源を機体バッテリーに切り替えます。

さてここで簡単にDC-6のオートパイロットの仕組みをご説明します。左側にレバーがオートパイロットのメカニカルスイッチです。オートパイロットと操縦翼面を物理的に接続します。

下側の左がGYRO PILOTスイッチで、これと先程のオートパイロットメカニカルスイッチを入れるとオートパイロットが動作します。下側の右側のALTITUDE CONTROLが現代で言うALT HOLDでONすると現在高度が維持されます。
中段のトリムホイールのようなものはピッチセレクタで上昇率を制御します。
一番上の黒い円盤はヘディングセレクタでオートパイロットの際に旋回方向を決めるものです。右へ回すと回している間は右旋回します。元に戻すと水平飛行します。

オートパイロットのモードセレクターです。
GYLOPILOT:上記で説明したヘディングセレクタ、ピッチセレクタを使い手動で飛ばします。
LOCALIZER: VORやGPUの信号に従って飛ばします。GNS430が利用可能でLNAVのように利用できます。
APPROACH: アプローチ時に使用します。


基本的にはLOCALIZERでナビゲーション通りに飛び、ATCからの要求が来たらGYLOPILOTで手動操作する流れでしょうか。

さて、離陸準備を整えます。フラップを20°にします。 カウルフラップを4°、ランディングライトをONにします。

離陸滑走を始めます。スロットルをゆっくり前に出し離陸推力をセットします。離陸後はランディングギアを格納します

1. オートパイロットモードをLOCALIZERにします
2. GLYLO PILOT(AP)をONにします。
3. AP Mechanical スイッチをONにします。


なおオートスロットルは無いのでピッチ角とスロットルは手動で調整します。

カウルフラップは0°に設定します。

ナビゲーションのとおりにDC-6が誘導されています。

以上