フライトシミュレーターで使えるiPhoneトラッカー
FaceID搭載iPhoneで実現できる簡易トラッカーをご紹介します。
本記事は下記記事を日本語訳し説明を追記したものです。
Head Tracking Quick-Startjbcconsulting448679429.wordpress.com
トラッカーとは
フライトシミュレーターでは簡単にコックピットを見渡せるようにトラッカーという物理的な仕組みがあります。トラッカーとは頭の位置を検知してフライトシミュレータ内の視点を移動します。例えば上の画像はiPhoneトラッカーを使用して頭を左に傾けたとき視点も左に移動しています。これを実現するために主にIR Tracker
というものが使用されてきました。まず自分の頭に赤外線反射デバイスをつけ、ディスプレイ側に赤外線送受信デバイスを取り付けます。すると頭がどの角度にどれくらい動いたかが検出できます。とても良いデバイスなのですがお値段が$169.95
とお高めです(1万8千円程度)。
iPhoneトラッカーに必要なもの
今回紹介するのはiPhoneで頭の位置を検出する仕組みです。以下のものが必須です。
まずFaceID(顔認証)に使用されるTrueDepthカメラが搭載されているiPhoneが必須です。FaceIDできない機種だったりandroidの場合は、すみませんができません。次にiPhone側のアプリHeadT rackerとPCアプリのopentrackというアプリが必要になります。最後にiPhoneとPC間の通信はローカルネットワークで行うため、iPhone <-> 無線LANルーター <-> PCのネットワークができるようなネットワーク機器が必要です。
iPhone側の準備
まずPCのIPアドレスを確認します。コマンドプロンプトを開いてipconfig
を実行しましょう。ここに出ているのがPCのIPアドレスです。対応機種であることを確認した上でHead Trackerをインストールしてください。
最後にHead Trackerの設定画面で今メモったPCのIPアドレスを入力します。
UDPの設定
UDPポート4242番にiPhoneが通信できるよう穴を開けます。この操作が危ないと思う方はやめましょう。自己責任でお願いします。
コマンドプロンプトを管理者権限で開き以下のコマンドを実行してください。
netsh advfirewall firewall add rule name="Open UDP Port 4242" dir=in action=allow protocol=UDP localport=4242
opentrackの設定
opentrackからwindows版をダウンロード&インストールします。
現在の最新版はopentrack-2.3.12-win32-setup.exe
でした。
ソフトを起動すると可愛い(?)タコさんがいます。以下のように設定します。
INPUT
:UDP over network
OUTPUT
:freetrack 2.0 Enhanced
メインメニューからOptions
を選び、OUTPUT
でX軸のInvertを設定します。一度メインメニューにもどってMapping
を選び以下の画像のように修正してください。
これは頭が傾いたとき、フライトシミュレーターの視点をどれだけ動かすか設定するものです。Yaw(左右)やPich(上下)、少しの動きで視点を大きく動かすようにしてます。例えば後ろの視点にしたいときに、本当に頭を180度回したらモニターが見えませんよね。逆にRollは反応しないように設定しています。
さてここまで準備ができたら、iPhoneアプリHead Trackerを起動してその設定画面からStartを押し、opentrackでもStartを押すと頭の動きに合わせてタコさんも動きます。
フライトシミュレーターでの設定
- X-Plane
Enable TrackIR & TrackHat view tracking in 3-D cockpit
をチェックする
- Microsoft Flight Simulator
- 特に設定不要